【一気に覚える糖尿病薬Part④】これで苦手意識から解放される?

GLP1-②内分泌代謝

糖尿病薬は、2~3種類の薬を併用することが多く、何の薬を飲んでいるのか?何のために飲んでいる薬なのか?を伝えなければならない場面に遭遇します。

しかしながら、説明する側が多種多様の作用機序と多くの薬品名を覚えていないと、説明がシドロモドロとなり、自信を失ってしまいますよね。

前回投稿した「糖尿病薬の歴史と作用機序」「ステムの覚え方を思い出していただき、一気に楽しく薬品名を覚えましょう。クスリの名前が、どえりゃ~多いので全7回シリーズで投稿します。いざ!

今回、覚える「糖尿病薬の一覧表」はこれだ!

覚える表④リベルサス(経口)は、今回の表から追加しました。

DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬(注射薬)←両者で併用はしない!

「インクレチン」を制する者は、DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬(注射薬)を制す?

DPP4

「DPP-4阻害薬」と「GLP-1受容体作動薬」の作用機序を理解するには、「インクレチン」というホルモンについて理解する必要があります。
それでは問題です。同量のブドウ糖を「経口」あるいは「静脈注射」で投与すると、どちらの方がインスリンを多く出すでしょうか?

答えは、「経口投与」の方で、インスリンが数倍多く分泌されると言われています。これは、小腸にある2か所の細胞(小腸上部のK細胞と小腸下部のL細胞)が食物の通過を感知すると、膵臓に対して「インクレチン」というホルモンを使って伝令を出します。伝令役は「GIP」(glucose-dependent  insulinotropic polypeptide)と「GLP-1」(glucagon-like peptide-1)といわれる2つのホルモンで、「もうすぐ血糖値が上がってくるので、インスリンを前もって出すように」と伝えるのです。このシステムは「インクレチン効果」と呼ばれ、膵臓は「食べ物の通過時」「血糖値上昇時」2回のタイミングでインスリンを放出することになり、静脈注射よりも多くのインスリンを放出するのです。

ただし、「GIP」「GLP-1」は、DPP4(dipeptidyl peptidase-4)という刺客(酵素)に襲われ、すぐに分解されてしまいます。GLP-1の半減期はわずか2分、GIPの半減期はわずか5分とされています。イラストでは、DPP4がまるで悪者のように描かれていますが、もし「GIP」「GLP-1」が長い時間活動すると、私たちの体はどうなるでしょうか?血糖値のピーク前にインスリンを出させるので、消化が遅れれば低血糖状態に陥ってしまいます。DPP4は絶妙のタイミングで「GIP」と「GLP-1」消し去り、的確なタイミングでインスリンが出るようにしているのです。糖尿病の患者さんの中には、的確なタイミングでインスリン放出できない方がいるので、DPP-4阻害薬により、「GIP」「GLP-1」の活動時間を延長させ、インスリンの足りない時間帯と量を調整できるのです。

DPP-4阻害薬の優れた点は、GLP-1やGIPは腸に食物が通過する時に分泌されるため、食事をしていない時(空腹時)には作用しません。すなわち、血糖値が低い時には作用しないことから低血糖を起こしにくいという利点があります。反面、1日1~2回の内服だけで便利なのですが、効果が程々であり、比較的高価なことがデメリットと言えます。

話は変わりますが、どうして「GLP-1」だけが製剤になり、「GIP」は製剤として開発されなかったのでしょうか?
この2つホルモンには放出される場所以外にも違いがあります。GLP-1は、インスリンの分泌を促す以外に、インスリンと逆の働きをするグルカゴンの分泌を抑制する効果もあります。一方、GIPは、インスリン分泌を促す以外に、脂肪を蓄積させる作用があるため、薬品開発のターゲットとしてはGLP-1の方が選択されました。(GLP-1受容体作動薬は、インスリンと同様、ホルモンなので注射薬で提供されますが、経口薬も登場しています。)

絵とゴロで楽しく覚える糖尿病薬④

GLP-1はペプチド製剤なので、ステムが「チド」になります。漫才コンビの千鳥をイメージして覚えますが、それ以外に「セナ」という言葉もよく出てきます。
そこでアイルトン・セナ様(レーシング・ドライバー)にご登場いただき、絵とゴロを作りました。彼は時代を代表するブラジルの英雄的ドライバーで、イタリア・ボローニャの事故で、34歳の若さで帰らぬ人となってしまいました。決してセナ様を愚弄するつもりはありません。彼の栄光を思い出し、ご冥福をお祈りいたします。

GLP1-①ビクトーザ(リラグルチド):
父さん、ビッグ過ぎやろ!反面、風呂は小さすぎましたか。ご勘弁ください。ビックな父さんの風呂上りの絵ですが、何か違和感がありますよね。でも、右足を動かしたら大変なこと(丸見え)になるので、変な千鳥足になっています。

リキスミア(リキシセナチド):
突然、セナ様が鯛の差し入れをしたら、世界的ニュースになったと思います。ほんとうは、優勝パレードのオープンカーをセナ様が運転する絵を描きたかったのですが、やむなく酔っぱらいと千鳥足の絵になってしまいました。申し訳ありません。

バイエッタ(エキセナチド):
すいまっしぇ~ん。またまたセナ様を怪しいアルコールで酔っぱらいにしています。ブログが炎上しないか心配しています。しかも、駅でセナ様が千鳥足だなんて、絶対に有り得ませんから!重ねてお詫びをいたします。何もかも、記憶術のためです。ご容赦ください。

GLP1-②

ビデュリオン(持続性エキセナチド):
「ビデュリオン」って何て覚えにくいのでしょうか?苦肉の策で、ジュリーのお姿をお借りしました。「美・ジュリーをビデュリン」か⁉ ん~、苦しいなぁ~。セナ様の絵もこれで最後にします。ホームの自販機で酒がエンドレスで買えれば、そりぁ~千鳥足も持続するということでしょう。でも絶対に有り得ませんから!

トルリシティ(デュラグルチド):
奨学金を貸付けて、利子を取る先生(ティチャー)がいるなんて、言語道断!林先生、千鳥様は、記憶術のために、役者として登場しているだけですからお許しください。しかしながら、ティーチャーのイメージ、林先生以外に浮かばないんだな。「ドュラグル」を「おんどゅりゃ、千鳥もグルだったんかッ!」は苦し過ぎますね。

オゼンピック/リベルサス(経口)(セマグルチド):
何だか物騒な展開になってしまいました。御膳の上に「ピック」が置いてあるなんて有り得ませんよね。それにしても、千鳥巡査は頼りないなぁ~。

くすりのレビュー、国家試験の勉強に役立つYouTube動画

yakulab info 下田武先生

トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)前編:9分16秒

トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)後編:8分35秒

経口セマグルチド(商品名:リベルサス):7分45秒

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