ヒトの中性化で繁殖能力が低下し、いずれ人類は滅亡するってホント?

ちょっと休憩

今回は最近気になっていることについて投稿します。
突然ですが、「男女平等」「ジェンダー(gender)平等」はどこがどう違うのでしょうか?
ジェンダーとは、生物学的な性別(オスとメス)ではなく、社会的・文化的につくられる性別のことを指します。

 

正直、私を含め昭和世代の人にとっては、親や学校から教わった「女らしさ」や「男らしさ」の先入観が強すぎて、「ジェンダー平等」を支持しつつも心の奥底では理解できてない気がします。

 

 

アメリカの一部の州では、5年前から出生証明書に関する法律が改正され、性別欄の「男(М)」、「女(F)」に加え、「第三の性(X)」という表記が加わりました。Xは、男・女どちらでもなく、成長後に、自分が意識した性別を選択できるというものです。

 

サムネイルアメリカ

 

 

では、なぜX(エックス)を選べるようにしたの?

前回投稿した(大谷翔平は天皇になれるか?)とおり、卵子に、X染色体を持つ精子が受精すれば生物学的に女性。Y染色体を持つ精子が受精すれば男性となります。ただし、この時点での胎児の体は男性でも女性でもなく、その後に浴びる「性ホルモンのシャワー」によって外性器が形成され、男女の区別ができるようになるのです。

 

例えば、男子の場合、受精から8週目に精巣から男性ホルモンであるテストステロンシャワーを全身に巡らせ、外性器を作ります。

 

次に、思春期の11歳頃になると2回目のテストステロンシャワーがセットされます。2回目は、胎児の時より長期間に渡ってシャワーを浴びることになるので、骨格筋など男性ホルモンの影響受けやすい臓器や組織が急激に発達して、声変わりをはじめとする男性的な特徴が現れてくるのです。

 

 

サムネイル性ホルモンシャワー

 

ところが、胎児の時に精巣から分泌するテストステロンの働きが弱いと幼少期から思春期までを未完成な男性の姿(女性に近い姿)で過ごし、その後やって来る思春期のテストステロンシャワーを浴びて、男性化することがあるのです。本人にとってはとても辛いことだと思われます。

 

体が男性か女性か、典型的な姿になるまでには様々な因子が働きます。特に精巣から出てくる男性ホルモンが正常に働く場合は心も体も男性化するのですが、ホルモンが不十分だと典型的な男性にはなれないのです。また、女性であっても男性ホルモンを多く浴びると体が男性化することも知られており、例えは悪いのですが「ヒヨコ鑑定士が行う雄雌の分類作業」の如く、外見だけで男女を区別することは間違っているのです。

 

こうした医学的な検証をもとに、X(エックス)を選択できるようにしたアメリカはさすがです。日本においてもこうした法改正が実現できるのでしょうか? (国葬であんなに盛り上がっているのですから、先生方の眼中には入ってこない問題でしょうね…)

 

テストステロン量の変化が、中性化の原因だって⁉

サムネイル中性化

 

ヒトの体や心の性差が縮まる「中性化」という現象に注目が集まっています。ヒトの中性化の原因は、男性らしい体や脳の形成に関わる男性ホルモン「テストステロン」の分泌が、男女ともそれぞれ変化しているからとされています。 (テストステロンは女性にも分泌されるので、将来、男性ホルモンという前置きがなくなるかも?)

 

男性におけるテストステロンは、精子をつくる「精巣」で作られ、脳においては闘争心、チャレンジ精神、性欲などに影響を及ぼします。男性の精子が減少すると、性欲の低下や筋肉が衰え、男性の中性化が始まると言われています。

 

一方、テストステロンは男性だけにあるホルモンではなく、女性においても副腎や卵巣で分泌され、骨格や筋肉は発達に影響します。血中のテストステロン量は、男性の5~10%と言われていますが、テストステロンが著しく増加すると排卵や着床に障害が出て、女性も中性化すると言われています。

 

何を証拠に「中性化している」と言えるの?

①2D/4D比

薬指の長さ(4D)は、胎児のときの男性ホルモンシャワーの量に影響を受けます。一方、人差し指(2D)の長さは、女性ホルモンの量に影響を受けるとされています。

 

2D:4D比理論では、人差し指の長さ÷薬指の長さで計算され、比率が低い(人差し指が短い)ほど“男性的”とされます。男性の平均値は 0.97程度と人差し指が短いのに対し、女性は 1.0程度で、人差し指と薬指の長さがほぼ同じです。

2d/4d

この理論は、科学雑誌ネイチャーにも掲載されたくらいなので、両指の長さによる性格、行動診断は信頼性が高いようです。

 

利き手をみて、人差し指が薬指よりも短い人は語学よりも数学の分野が得意で、冒険心が強く、男性っぽい行動を好むとされています。逆に、人差し指より薬指が長い人は、数学より語学の成績に優れ、協調性が高く、女性らしい行動を好むとされています。  (当りハズレは、占い程度かと思うのですが…)

 

5年前の某東京にあるクリニックの調査では、2D:4D比が年代毎に顕著に変化しており、中性化の傾向が読み取れるそうです。

 

人差し指がのびている

 

②精子の量

ここ半世紀において男性の精子の数は大幅に減少しており、その裏付けとなる男性の「テストステロン」もどんどん減少し続けているというデーターがあります。

 

2020年アメリカで実施された男性のテストステロンの調査によれば、過去16年間で20%の減少がみられ、当然、それに比例して精子数の減少も予想されます。

 

サムネイル精子の量

 

 

③女性のテストステロン量

女性の変化

上のグラフは男女別の血中テストステロン濃度の分布を表しています。横軸はテストステロンの濃度で、縦軸は人の割合を表しています。

 

男性ホルモンというと男性しか出してないようなイメージがありますが女性もかなりの量を出していることが分ります。

 

もともと女性の血中テストステロン量は、男性の10分の1~20分の1といわれていましたが、ピークとなっている女性の2本の柱は時代とともに右にシフトしているそうです。

 

原因は、女性の社会進出によるものと考えられ、やはり企業戦士にはテストステロンが欠かせないのでしょうね。

 

まとめ

男性の中性化は今に始まったことでなく、5万年前から既に始まっていたと言われています。その根拠は、8万年前と5万年前の頭蓋骨の比較からで、テストステロンの分泌が多いほど大きくなる眼窩上隆起(眉の上の隆起部分)が極端に小さくなっているからです。

 

8万年前から5万年前の間に何があったかというと、単独の狩猟生活から「集団社会の生活」が芽生え、攻撃的な男性が淘汰されて、仲間と連携し協力できる男性だけが生き残ったからだと推測されています。

 

サムネイルガッツ

 

 

ということは、ますます協調・連携・我慢が求められる地球での生活ですから、数千年後、人類は完全に中性化して繁殖能力を失ってしまうのでしょうか?

 

「人工授精や人工子宮、クローン技術があるじゃん‼」という声もあろうかと思いますが、「進化」という点では一抹の不安を感じています。その不安については次回投稿します。

 

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