ステロイド外用薬、「ストロンゲスト」を超えた新薬はどう呼ばれるの?

ベリーストロング① 皮膚科

前回からステロイド外用薬の楽しい覚え方について投稿しています。

ステロイド外用薬の強さは、軟膏を基準として、ステロイドの薬効成分そのものの強弱ではなく、製品の臨床効果で5段階に分けられています。

従って、現行の薬効成分(抗炎症、細胞増殖抑制、血管収縮、免疫抑制)を上回る新薬が開発されても、「ハイパー・ストロンゲスト」とか「超・最強」という新たなランクが設けられる訳ではなく、使用部位や対応する症状によって5段階のどこかに分類されることになります。

前回の表のとおり、ステロイド外用薬の経皮吸収率は部位によって大きく異なります。副作用を恐れて弱いレベルのものから使って、段階的に強いものに変えていくことは「いたしません!」「足のかかと」にウィークやマイルドを塗っても効果が期待できませんからね。

ステロイド外用薬の使用にあたっては、最初から症状を抑えることが肝要であるため、塗る場所によって充分な効果が期待できるクスリを5段階の中から選択することになります。

大雑把にまとめると

◎最も強い(ストロンゲスト)
炎症の度合いがひどい場合や、経皮吸収率の悪い手足の難治性湿疹などに使用。

 

◎非常に強い(ベリーストロング)
慢性的な炎症が治らない場合や、急性の炎症を迅速に阻止する場合に使用。病院での使用頻度が最も高い理由は、「帯に短し、たすきに長し」を避けているからでしょうね。

 

◎強い(ストロング)
皮膚が赤く炎症を起こしてかゆみが強いなど、症状が比較的重い場合に使用。ストロング(強い)といえども、普通クラスという感覚で使用されています。

 

◎おだやか(マイルド)◎弱い(ウィーク)
症状が軽い場合や、経皮吸収率の高いデリケートな部位、子どもや乳幼児などに使用。

 

剤形の選択については、患部の状態(乾燥か湿潤か)や使用場所(毛がある等)によって、軟膏・クリーム・ローション・スプレーを使い分けることになります。

今回覚える表はこれだ!

ベリーストロング

ベリーストロングのクラスでは、一般名に『ジ』『ニド』『酸が2つ並ぶ』ものが印象的ですね。また、リンデロンでは、『DP』と『切りが悪く意味不明の数字(0,064%) 』は頭に入れておくとよいでしょうね。

 

「ベリーストロング(非常に強い)」の楽しい覚え方

ベリーストロング①

『ベタメタゾン』が2回登場していますが、いずれも「ベタ褒め」ということで堪忍してください。リンデロンは、DPまで覚えましょうね。

 

ベリーストロング②

「テクスメテン」のテクスチャー(感触)は、耳慣れない言葉で申し訳ありません。
「テクスチャー」とは、モノの「感触」や「質感」「手触り」などを意味する単語で、木材や繊維など、多くのモノに対して使われています。「生地」という意味もありますよね。

 

くすりのレビュー、国家試験の勉強に役立つYouTube動画

yakulab info 下田武先生
ステロイド外用剤の適正使用:21分15秒

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