【よくある腹痛の相談はこれで安心】これさえ読めば信頼されるかも?

信頼される薬剤師消化器科

前回はピロリ菌検査ピロリ菌の除去について投稿しましたが、今回は、腹痛に伴うクスリの投稿です。

お腹が痛い、お腹が張るという経験は誰にもありますが、その原因は食べ過ぎや飲み過ぎ、便秘で便やガスが溜まっている場合がほとんどです。当然、こうした場合は医者にかかることもなく、自然に治るか、市販薬で事足りるケースとなります。

 

ところが、腹腔内には痛みの原因となる多くの臓器(肝臓、膵臓、胆嚢、子宮、卵巣、膀胱、尿管)があるため、市販薬で様子をみている場合でない恐ろしい病気があるので注意が必要です。

 

実際、盲腸炎の初期においては、その放散痛により心窩部痛(胃が痛い)として感じることがありますし、女性の場合、妊娠に関わる痛みもあり、お腹が痛いからといって単純に便秘や食べ過ぎが原因とは限りません。市販薬の手に負えない重篤な病気かどうかを見極める知識が必要です。

 

「10分以上持続する痛みがあったら医者に行け」というのは正論だと思うのですが、店頭で腹痛の相談があった場合、多少のウンチクを語らなければ、患者さんからの信頼感や安心感を持っていただけないと思いますので、今回は「腹痛」について整理してみました。

 

信頼される薬剤師

 

「腹痛の聴き取り」の基本と「検査と治療」を要する腹痛とは?

聴き取りの基本

 

「便秘や食べ過ぎ」以外の早急に治療を要する腹痛を見抜き、早めの受診を呼びかけましょう

①腹痛の始まり方
「突然始まった痛み」とは、「歯を磨いていた時」とか「食事をしていた時」など、痛みが始まった時を事細かに伝えられるケースです

 

急に発生する激しい痛みは、腸周辺の動脈閉塞など血管系の病気が疑われ、太い動脈の解離や破裂は激しい痛みを伴います。女性の場合は、子宮外妊娠の破裂や卵巣からの出血は激しい痛みを伴い、卵巣出血は性行為直後に痛くなるのが特徴となります。このような痛みで店頭に来る人はいないと思いますが、一刻も早く救急外来へ行かなければなりません

 

一方、「ゆっくり始まった痛み」とは、2~3日前とか時間に幅のある(あるいは時期を覚えていない)返答で、炎症性の病気(食中毒、虫垂炎、胆嚢炎、胆管炎、憩室炎など)や腸閉塞(大腸や小腸の腫瘍が原因で吐き気を伴う)などは、ほとんどがゆっくり始まる痛みです。また、食中毒に伴う感染性の腹痛は、多くが発熱と下痢を伴いますが、むやみに止瀉剤や解熱剤を使用しないよう注意しなければなりません。

 

②腹痛の続き方
長時間持続的に痛むケースは、血管系の病気炎症性の病気腸閉塞など腫瘍性の病気が疑われ、適切な検査と医師による治療が必要です。

 

一方、痛くなったり、痛くなくなったり波がある痛みは、腸炎や胃炎による蠕動痛(動きによって痛みが発生する)便秘による腸管の内圧上昇によるものが多く、緊急の治療には至らない兆候とされています。

 

③便秘や下痢がある場合
便秘や下痢は、断続的な蠕動痛(痛くなったり、痛くなくなったり波がある痛み)を招きますが、特に小児においては、便秘による腹痛がたいへん多い傾向にあります。

 

一方、癒着や腫瘍による腸閉塞は、便どころかガスも出なくなり、吐き気を伴います。また、水様便(水のような便)を伴っている場合は、感染性の腸炎による腹痛が多いため、便がどのような状態かを確かめましょう。

 

④歩くと痛い腹痛
歩くと響くような痛みは、腹膜炎のサインとされています。虫垂炎や憩室炎によって周囲の腹膜に炎症がおよぶと、歩行により響くような痛みが起こり、痛くてじっとしている、うずくまっている状態になります。

 

一方、痛くてじっとしていられない、のたうち回る事例は尿路結石に多く、腹膜炎である可能性は低くなります。

 

⑤女性の場合の妊娠の可能性
特に、若い女性や熟年女性に対し、妊娠の可能性の有無を尋ねること、尋ね方はたいへん難しいのですが、万一、腹痛の原因が妊娠であった場合、母子ともに危険な状態になるので慎重な対応が求められます。少しでも妊娠の可能性がある場合は、医療機関への受診を促さなければなりません。

 

⑥どの部分がどう痛むか
専門医でも、お腹を触っただけで病気を判断することは難しいそうですから、ましてや店頭での聴き取りだけで病名を示唆することはNGだと思います。

 

診たて

 

お腹が痛い、お腹が張る原因が、市販薬の守備範囲か?(単なる食べ過ぎや便秘によるものなのか?)  あるいは早急に医療機関で検査や治療が必要か?(ヤバイ病気か?)を見極めることが今回のテーマなので、下記以外は早めの受診を促すことことが大切です。

 

診察注意

 

 

脳(ストレス)は消化管と直結しているってホント?

専門医の経験によれば、腹痛を訴えた患者に胃カメラを実施しても、潰瘍らしき病変が見つかることは稀で、患者に画像を見せながら「あなたの胃はきれいですよ、何ともありません。」と伝えると、これまでの痛みや不快感が消失してしまうケースが多々あるそうです。

 

「脳腸相関」という言葉があるように消化器と脳の結びつきはたいへん強く、ストレスが原因の消化器疾患は意外と多いようです。そのためにも、解りやすい説明をして患者さんからの信頼感と安心感を得たいものです。

 

「胃腸の動き」や「症状」からクスリの選択を考えよう

 

治療薬

 

市販薬の選択には、胃腸の動きを考えることが重要です。例えば、2の胃もたれの状態の時に、ガスター系の胃薬をチョイスして意味がありません。次回からは、1~6のクスリについて投稿します。

 

くすりのレビュー、国家試験の勉強に役立つYouTube動画

yakulab info 下田武先生

機能性ディスペプシアの症状と薬物治療:11分41秒

コメント