日本人が信じてきたアルミと銅のウソ八百!今も信者はウヨウヨいるよ!

緑青とアルミ 精神神経科

おそらく40代より上の方々は、「青色に錆びた10円玉はね緑青(ろくしょう)と言って、猛毒だから舐めちゃダメ!」「アルミ鍋はね、アルツハイマーになるからステンレス鍋に変えた方がいいよ!」ということを信じていて、今でも子供や孫に言い伝えている人たちが大勢いると思います。

緑青とアルミ

これら言い伝えは、一部の論文やマスコミ報道によって、あたかも科学的根拠があるかように広く知れ渡り、日本人の共通認識となってしまった結果です。その後、新たな論文や実験によっていくら訂正・否定しても、一度刷り込まれた情報を改めることは、とても時間がかかり困難です。まさに「打ち放った大砲の玉は回収できない」ということでしょうね。

今回はアルツハイマーシリーズの番外編ということで、「なぜ、緑青が猛毒にされたのか?」「なぜ、アルミ鍋が台所から消えたのか?」を歴史的に検証しようと思います。前回シリーズも是非、参考にしてください!

第一話 話題沸騰の「アデュカヌマブ」を冷ややかな目線で検証した結果は⁉

第二話 【今さら聞けないアルツハイマー病】これを読めば、もう大丈夫かも?

第三話 アルツハイマーの経口ワクチン?これを読めば話について行けるはず!

緑青って、ホンマに「猛毒」なの?

「緑青の猛毒説」(主成分は塩基性炭酸銅)ですが、3年間におよぶ慢性毒性試験や、後の急性毒性試験によって、従来考えられていた「猛毒」という認識は間違いで、「緑青の毒性は、さほど強いものではない。」と結論づけられました。

毒性試験

LD(50)

「緑青の猛毒説」は、いつから定説になったのか?

猛毒説となった主な原因は、学校の教科書にあると言えます。たとえば、昭和49年の理科の教科書には「金属のさび」という項目があって、緑青について「湿り気の多いところに銅を置くと緑色のさびができる。このさびは緑青(ろくしょう)と言って、食べると身体に害がある」と記述されていました。

身体にどのような症状が出て、どのような作用機序で害がでるかの説明はなく、当時の百科辞典においても同様の記載になっていたそうです。出版に携わった関係者への聴き取り調査では、すべての記述が過去の文献の引用(コピペ)であったことが判明し、科学的根拠に乏しいことがわかりました。

また、過去、緑青が原因とされた中毒事件は、精錬技術が悪い銅の中にヒ素や鉛が残留しており、ヒ素や鉛の残留物によって中毒症状が出たものと推察されたのです。

これ以外にも「緑青の猛毒説」には諸説あるようですが、後から「猛毒ではない」と言われても、あの不気味な緑色を見れば、触ったり、舐めたりすることに躊躇しますよね。動物の本能でしょうか?絶対、口にしたくありません!

なぜ、アルミ鍋がアルツハイマー病の犯人にさせられたのか?

「アルミニウムが体内にたまるとボケの原因になる」とか「アルミニウム鍋はアルツハイマー病を引き起こす」ということについては、一部の論文や過剰反応したテレビの健康番組によって社会全体に広まり、1997年頃をピークに「アルミニウム鍋からステンレス鍋へのシフトチェンジ」が全国的なブームになりました。我が家でも、いつの間にかアルミ鍋が台所から追放され、今では全てステンレス鍋に置き換わっています。

「アルツハイマーのアルミニウム原因説」は、1965年、ニューヨーク州立大学医学部のヴィスニスキー教授のウサギの実験(脳にアルミニウムを注入したらアルツハイマー病のような症状が出た)に端を発します。その後、1989年に検証実験が行われましたが、再現したウサギの症状は、アルツハイマー病と別物であったことが確認されています。

後に、ヴィスニスキー教授は、「学会でこの実験結果を報告すると、多くの人がアルミニウムこそアルツハイマー病の神経原線維変化の原因と結論づけ、それが火事のように広がった」と振り返っています。

さらに、1972年には「透析脳症」という病気が報告されました。人工透析(透析液に多くのアルミニウムが含まれていた)を受けている患者さんの脳にアルミニウムが蓄積し、神経細胞の障害により痴呆症や運動障害を起こしたというのです。その後、1975年に透析脳症の原因が、下記のとおり解明されました。

①腎臓に障害があるとアルミニウムを排泄しにくくなる。
②透析液のアルミニウムが、直接血液に入ってしまった。
③高リン血症予防のため、アルミニウム製剤を服用した。

などが明らかになり、後に、透析液のアルミニウム管理やアルミニウム製剤の服用中止によって、発症が抑えられました。アルミニウムがアミロイドβの蓄積を誘発し、アルツハイマー病を招くのではなく、高い濃度のアルミニウムが神経細胞に直接ダメージを与えていたということでした。

実験結果で無罪放免となったアルミなのに、どうしてやり玉にあがったの?

イギリスでは、1990年頃をピークにマスコミ報道が過熱し、調理器具ビールのアルミ缶がターゲットになりました。ビール会社は、「うさぎの実験」や「透析脳症」で反論する余裕もなく、醸造設備や運搬容器をアルミニウムからステンレスに切替えたのです。その数年後に、日本に飛び火することになりますが、遠い外国の論文や(アルミが原因でないという)実験結果を知る由もなく、私たち一般市民は、惜しげもなくアルミ鍋を台所から追放し、ステンレス鍋を迎え入れたのでした。

当然、儲かったのはステンレス業界でありまして、これが業界の策略なのか?マスコミの視聴率稼ぎなのか?全くわかりません。どちらにせよ、消費者は、フェイクか?フェイクでないか?を正しく判断し、賢い消費行動をしなければならない!ということなのでしょうね。
ん~、偉そうに言ったが、それは無理で、歴史は繰り返すってことですね。

ちょっと冷静に考えればわかったはずなのに…

銅は、はるか昔より人類に利用され、生産量・消費量とも非常に多い金属です。そのため、屋根や銅像などによく使われ、街なかのいたるところで緑青(塩基性炭酸銅)を目にします。微量の緑青は、雨水にも混ざるだろうし、大気中にも飛散するはずです。それがもし猛毒だったら、街は何回も滅びているでしょうね。

アルミニウムは地球上に豊富に存在し、酸素、ケイ素に次ぐ3番目に多い元素です。そのため、毎日飲む水道水には、常時0.02~0.18mg/L程度のアルミニウムが必ず含まれWHO(世界保健機構)の飲料水基準は、0.2mg/L以下とされています。微量とはいえ、私たちは毎日アルミニウムを体の中に入れているのです。

また、太田胃散の1回服用量(1.3g)の中には、273.4mgの合成ケイ酸アルミニウムが入っています。胃薬が原因でアルツハイマー病になったなどとは聞いたことがありません。

もし、太田胃散などの健胃薬がアルツハイマーを引き起こすことを証明できたら、製薬会社を相手取り、集団訴訟ができるということですよね。そうなれば多額の損害賠償請求も夢ではないってことか…。
あんたね、考えることがキョワ~イよ

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