【サラダ油の秘話発見?】皆さん!コレステロールゼロに騙されてるよ

キャノーラ席捲ちょっと休憩

「年賀状シリーズ」に加え、新シリーズ「何じゃコレ?珍十景」を始めています。
大自然や街なかで、(私の感性で)珍しくてオモロイものを発見した時に投稿しますので、勉強の合間に一息ついていただければ幸いです。もちろん、元祖(テレビ朝日)様の「ナニコレ珍百景」のパクリでありますが、当方は、10景で打ち切りとなります。元祖様は長寿番組であるため、100景どころか1,000景を超えているのかも知れません。「ポツンと一軒家」(同社)になんかに負けることなく、長生きしてくださ~い。

これまでの「何じゃコレ?珍十景」

第一弾 霊峰白山。豪雪地帯の山中で宇宙人が作った「巨大な雪壺」を発見?!

第二弾 昭和のヒーロー「ジャイアント馬場」さんの超特大スリッパを発見?!

第三弾 【歴史的発見?】あのビヨン・ボルグのラケットが後輩の細君の手に!

第四弾【日本人の外人コンプレックス発見⁉】日本人は昔より大きくなった?

第五弾 「落書き」と「芸術」の違いを発見⁉バンクシーならどこまで許される?

第六弾、今回の「何じゃコレ?珍十景」はこれだ!

キャノーラ席捲

サラダ油に一石を投じます!怒られるかも⁉

日本人が大好きな唐揚げ、天ぷら、アジフライ…。どの家庭でも、奥さまやお母さまから、「ついでにサラダ油買ってきて~」という会話が日常的に飛び交っていると思われます。そんな耳慣れた「サラダ油」ですが、どんな油なのか詳しくは知らないまま、なんとなくスーパーで買ってくる方が多いのではないでしょうか。

昔から馴染みのあった「天ぷら油」「サラダ油」でしたが、今や、外来種の如くサラダ油を席捲している「キャノーラ油」。「健康に良い」「ヘルシー」「コレステロールゼロ」と書いてありますが、ほんとうなのでしょうか?今回、気になる点がありましたので投稿します。

問題です。あなたは、下記の食用油の中からどれを選びますか?答え合わせは投稿の最後で。

問題です

そもそも、「サラダ油」と「キャノーラ油」って何がどう違うの?

サラダ油の「サラダ」とは、「サラダにかけて食べれる油」「生野菜ドレッシングに使える油」という意味で、日清オイリオが「日清サラダ油」という名称で最初に売り出しました。原材料の名前ではなく、サラダにかけるという意味だったのですが、数多くのドレッシングが登場し、そんなことは誰も覚えてないと思います。

「サラダ油」は、なたね(アブラナ)、大豆、ゴマ、コーン、べに花、米など、複数の原料を混ぜて作られるため、いわば「混合油」と言えます。製品によって栄養価や特性も若干違ってきますので、購入の際には、どんな原料が使われているかをチェックすることをお薦めします。

じゃ~、「キャノーラ油は何者?」ということですが、こちらはキャノーラという原料を使った油です。キャノーラは、なたね油に使われるアブラナ(花をつけているとき→菜の花と言い、花が散って種子ができたとき→なたねと言う。)を改良した品種で、カナダで開発されました。本来、アブラナには、過剰摂取で人体に害がでる「エルカ酸(エルシン酸)」と「グルコシノレート」という成分が含まれていたため、それら成分を極力減らす必要がありました。この品種改良に成功した企業が、「カナダ(CANADA)」と「Oil low acidの略(Ola)」を組み合わせて「キャノーラ」と命名したそうです。こんなお話しも、「サラダ油の由来」と同様、知ったこっちゃないですよね

キャノーラ油だけがコレステロールを下げるの?

キャノーラ油は、有害な2成分を(極力)減らしたばかりか、健康に良いとされる「オレイン酸とビタミンEが多く含まれている」というのが宣伝文句です。メーカー側は、オレイン酸が、血中の悪玉コレステロールを減らし、抗酸化能力の高いビタミンEが、油そのものの酸化を防いでいるとアピールしています。

でも、忘れてならないのが「植物性ステロールの働き」です。植物性ステロールの構造はコレステロールと類似しており、全ての植物性食品に含まれています。しかしながら、コレステロールは体内でステロイドホルモンや胆汁酸の材料として利用されますが、植物性ステロールは体内では利用されず、ほとんどが排出されてしまいます。

少し話しが難しくなりますが、植物性ステロールは、動物由来のコレステロールと同様に小腸内腔でミセル化(水に溶けやすいように乳化される)されます。ミセルの全体溶解量が限られてくるため、植物性ステロールと動物由来コレステロールが競合すれば相対的に動物由来コレステロールのミセル数が抑えられ、コレステロールの吸収量が低下するのです。従って、サラダ油だってコレステロールの吸収を低下させることができるのです。

植物性ステロール

「キャノーラ油のコレステロールゼロ」ってスゴイことなの?

次回から、「脂質異常症」について投稿しようと思いますが、私たちの血液や組織中にあるコレステロールは、食事(動物の脂質)から摂取したもの(約20%)と、肝臓で合成(内因性コレステロール)されたもの(約80%)です。前述したとおり、植物にはコレステロールの構造に類似した「植物ステロール(βシトステロール、カンペステロールなど)」がありますが、これらはコレステロールではありません。つまり、初めから存在しないコレステロールを「コレステロールゼロ」と表示しているのです。当然、サラダ油だって「コレステロールゼロ」と表示してもいいはずです。

元々入っていないものに「ゼロ」と書くことは、例えば、初めから空だった箱に「この箱には何も入っていません」と書くのと同じなのです。
実際はゼロなんだから、間違ってないだろっ!何が悪い!ということでしょうが、消費者は、メーカーが手間とコストをかけて、コレステロールを除去しているとしか思いませんよね。除去にはコストがかかるので、高くても仕方がないと思ってしまいますよね。
卵からわざわざコレステロールを除去しているマヨネーズがありますが、「これはメーカーが手間暇かけた付加価値のある商品なんだから、高くてもしょうがないや。」と納得して買っている訳ですから!

ゼロ表示

消費者の期待は「コレステロールゼロ」よりも「トランス脂肪酸ゼロ」では?

トランス脂肪酸のアレコレについては、後ほど「豆知識」として書いておきますが、トランス脂肪酸をこの世から消し去ることは、技術的にたいへん難しいと思います。
トランス脂肪酸は、油を200℃以上の高温で加熱すると必ず発生してしまうため、加熱工程のある植物油には、トランス脂肪酸が含まれている可能性があります。植物油の加熱工程は下の図のとおりで、簡単に説明します。

工程

は、「溶剤を用いた油の抽出工程」です。油分を多く含む、なたね・べに花・ごま等は、原料の圧搾だけ(一番搾り)で油を抽出できますが、油分の比較的少ない大豆や米などは、圧搾だけでは全ての油を抽出できません。
従って、原料に溶剤(ヘキサン=食品添加物扱い)を加え、原料中の油分を溶剤に移行させ、その後、蒸留装置で溶剤を吹き飛ばして油だけを取出します。この作業によって、原料残油は1%未満になりますが、高温の作業工程が入ることでトランス脂肪酸を発生させる恐れがあります。
サラダ油が、キャノーラと大豆の混合油であれば、キャノーラ単体の油よりもサラダ油の方がトランス脂肪酸を多く含む可能性があります。

は、「脱臭の工程」です。植物種子などから発生する嫌なニオイを除去するため、高温、真空下で水蒸気を吹き込み、有臭成分を取り除きます。高温の作業工程が入ることで、トランス脂肪酸の発生が誘発されるのです。

幸い、日本のメーカーは、適正な温度管理で作業を実施しているようで、サラダ油やキャノーラ油からは、それほど多くのトランス脂肪酸は検出されていないようです。また、家庭料理の天ぷらやカツを160℃〜180℃で揚げても、トランス脂肪酸はほとんど発生しないので安心していいそうです。

こういう情報って、消費者にとって大切ですよね。「コレステロールゼロ」の表示よりよっぽど役に立つと思うのです。技術的に「トランス脂肪酸ゼロ」にはならないものの、日本のメーカーは、食の安全・安心のため日夜努力をしています。こうしたことをアピールして欲しいものです。

トランス脂肪酸の豆知識

トランス脂肪酸の構造は下記のとおりで、水素結合が二重結合を挟んで同じ側にあるのがシス型、それぞれ反対側にあるのがトランス型となります。

過剰摂取によって、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)濃度が増加する一方で、HDLコレステロール(善玉コレステロール)濃度が減少し、冠動脈性心疾患の発症リスクを高めると言われています。そのため、WHОは1日のトランス脂肪酸摂取量の目安を示して注意を促しています。

WHO基準

植物油を用いて作るマーガリン等は、常温で固体にする必要があるため、不飽和脂肪酸の二重結合に水素を付加させ「部分水素添加油脂」を使っています。このことで、マーガリンの軟らかさが調節できたり、ショートニングをパンや菓子類に加えることで、サクサク感や口溶けを良くすることができるのです。ちなみに、全部に水素結合を施した全部水素添加油脂は、この機能を果しません。

部分水素添加油脂は、水素を添加する反応の際の副反応として、シス型からトランス型への構造変化が生じ、油を高温で加熱する場合よりも、はるかに多くのトランス脂肪酸を発生させてしまいます。最近、大手メーカーは、人工的な部分水素添加油脂を使用せず植物由来の新ブレンド油脂(パーム油と書くとマズイのかなあ?)を用いてトランス脂肪酸を減らしているそうです。

メーカー取組み

まとめ

トランス脂肪酸は、天然食品である牛やヒツジなどの反芻動物の肉や乳、その加工品であるバター(7%前後)にも含まれています。トランス脂肪酸を絶対に摂りたくないという人は、バターはもちろんマーガリンも一切食べてはダメということになります。

そもそも、トランス脂肪酸が私たちの身の回りに増えた原因は、動物性脂肪のラードやバターを「悪者」にし、植物性油脂は健康に良いものと推奨してきたからです。植物油の加工技術は飛躍的に進歩し、逆に、そのハイテク技術によって植物油に潜むアラが炙り出されているような気がします。知らぬが仏とはいかないのでしょうね?

消費者も消費者で、一部の報道により過敏な反応を示し、今度はトランス脂肪酸を「悪者」にしてマーガリンから天然のバターに乗り換えた人も多いと聞きます。しかしながら、最近、メーカー側の努力もあって、もはや天然のバターよりもマーガリンの方がトランス脂肪酸が少なくなったとも言えます。なんとも滑稽なお話しです。

ハッキリしていることは、「トランス脂肪酸を過剰に摂取することは、健康に悪い」ということと、「油脂は高カロリーなので、多くの量を摂取しない。」ということです。すなわち、油を大量に摂取しなければ、トランス脂肪酸を過剰に摂取することはないのです。

日本の植物油メーカーは、トランス脂肪酸の軽減に並々ならぬ努力をしていて、結果を残しているのですから、「コレステロールゼロ」などと、横並びの、まやかし的な広告にお金をかけるよりも、堂々とトランス脂肪酸の含有量を消費者に公表して、その成果で商品の販売を競って頂きたいものです。

答え合わせ:私が選んだ植物油はこれだ!

 

対決表

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