使用頻度が高いプロスタグランジン目薬を絵とゴロで楽しく覚えよう!

眼科

今回は「絵とゴロで楽しく覚える緑内障のクスリ」についての投稿です。
緑内障に関するクスリの作用機序などについては、前回投稿前々回投稿をご覧ください。

 

今回覚えるクスリの一覧はこれだ!

ちょっと数が多いので、使用頻度の比較的高いもの(黄色塗りつぶし)ゴロにしました。
今回はプロスタグランジン関連薬(赤枠)について投稿し、それ以外は次回に投稿します。

 

覚える表①

 

名前を覚える前に副作用のおさらいをしておこう!

キサラタンを始めとするプロスタグランジン関連薬を継続して使用していると、目の周りの毛が増えてしまったり、まつ毛が濃く、長く、太くなってしまう「眼瞼部多毛」という副作用が現れます。

 

また、代謝物のメラニンによる(目の周りの)色素沈着」が現れ、女性にとって絶対避けたい副作用となります。

 

これらの副作用を軽減するために、点眼後の洗顔を指導し、どうしても洗顔できない場合は、濡れたタオル等で目の周りをしっかり拭くように伝えなければなれません。

 

一方、まれに瞼の溝が深くなる「眼瞼溝深化」という副作用が現れます。これは、瞼の脂肪が減ってしまった結果、瞼にシワが寄り易くなり、シワが深くなってしまう現象です。発生頻度はかなり低いといわれていますが、顔に出る副作用は、男女を問わず嫌なものですよね。

 

プロスタグランジン関連目薬を絵とゴロで楽しく覚えよう!

プロスタグランジン製剤の一般名のステムは、「~プロスト」です。もちろんプロスタグランジンの「プロスタ」から由来しています。

 

新表

キサラタン(ラタノプロスト):
キサラタンは1996年に登場し、他のプロスタグランジン関連薬の中で最も古いクスリです。そのため、使用実績も多く、ジェネリックも各社から販売されています。

 

緑内障治療薬は一生使い続けるクスリなので、クスリの安さが極めて重要です。キサラタンの薬価は、プロスタグランジン関連薬の中で最も安いので、経済的負担という面では最も優れています。

 

トラバタンズ(トラボプロスト):
トラバタンズは、他のプロスタグランジン関連薬の中で唯一「塩化ベンザルコニウム」を含まないクスリです。「塩化ベンザルコニウム」は目薬の防腐剤として用いられますが、暴露の量や時間によって角膜上皮障害を誘発するとの報告があります。

 

緑内障治療薬は一生使い続けるクスリなので、角膜の保護という観点からは優位なクスリとなります。

 

ルミガン(ビマトプロスト):
プロスタグランジン関連薬の効果は横並びで大差はないと言われる中で、ルミガンの効果はやや高めという報告があり、それに伴う副作用の発生頻度も高めにでる傾向にあります。そのため、他のプロスタグランジン関連薬で眼圧が下がらないときの切り札として用いられることがあります。

 

一方、ルミガンの副作用を逆手にとった「まつ毛育毛剤」(まつ毛の塗りクスリ)なるものが個人輸入やインターネット通販で販売されています。効能効果には「まつ毛の毛周期を長く保ち、まつ毛を長く、太く、濃くする育毛効果により、目力がアップする!」と書いてありました。

 

プロスタグランジン関連薬の副作用については度々説明しましたが、まつげだけに塗ったつもりでも、汗で薬液が目や瞼に流れ、「瞼の黒ずみ(色素沈着)」や「目の充血・痛み(角膜が傷つくことによる)」が生じることが十分予想されます。余計なお世話と言われても、使っている人が身近にいれば注意してあげましょう。
まさか小柳ルミ子様は使っていませんよね?

 

 

覚える表2

タプロス(タフルプロスト):
タプロスは日本で開発されたいわば「国産の緑内障目薬」で、臨床試験も日本人対象に行われました。通常眼圧緑内障が日本人に多い点や、人種的な遺伝子によって副作用の出現率に大きな差があるなどを考慮すると、日本人に最も適した(安心して使える)目薬と言えます。

 

また、キサラタンに比べ容器の使い勝手がよく、患者の満足度調査でも高い支持率が伺えます。

 

レスキュラ(イソプロピルウノプロストン):
レスキュラは過去、プロスタグランジン関連薬に分類されていましたが、今では「イオンチャネル開口薬」に分類されているようです。

 

添付文書には「BKチャネル活性作用が云々カンヌン」と書いてあるだけでよくわかりません。出世したのか更迭されたのか分かりませんが、新天地で頑張ってくださ~い⁉

 

エイベリス(オミデネパグ イソプロピル):
参天製薬が開発した緑内障の新薬です。点眼薬としては少々気難しい印象があるそうですが、「目の周りの色素沈着がない」という点で、点眼薬の選択肢が広がりました。

 

特に、女性にとって使いやすい目薬となり、プロスタグランジン製剤の副作用防止のため、こぼれた目薬をティッシュでふき取るとか、点眼後に洗顔するという煩わしさを解消してくれました。

 

 

くすりのレビュー、国家試験の勉強に役立つYouTube動画

yakulab info 下田武先生

緑内障治療薬 前編(房水産生抑制薬):14分09秒

 

 

緑内障治療薬 後編(房水流出促進薬):15分08秒

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